TS-9をLandgraff DODに改造する8 電子スイッチ

前回からだいぶ時間が経ってしまいました。さて気を取り直して...

バイパス時に音漏れするのを防ぐために、オペアンプの増幅率を1にすることで解決する手段を考えテストまでしました。今回は具体的に電子スイッチの基板を作ってみましょう。

TS-9_DOD_diode_with_SWboard.jpg右の配線図がクリップダイオードの切り替えと新たに増設するスイッチ基板です。なんとかサイズを小さめで収めることが出来ました。

電子スイッチと聞くとビビってしまいますが、部品点数は4個だけです。「to SW」から信号が入るとQ1の両端が接続される仕組みです。SWが入ると(バイパス時)オペアンプの6番と7番が接続され増幅率を1にできます。

基板が無事に出来上がったら、前回から増えた配線は「to SW」へとGND、Q1の下側からS2の真ん中へ行く線の3本です。

TS-9_DOD_kiban_ura.jpgそして「to SW」の配線は基板の裏側からしか配線できませんでした。左図の三角のパターン部どこでも良いですから、他のパーツを外さないよう注意しながらハンダ付けしてください。

これで出来上がりです。試しに全てのツマミをフルにしてバイパス状態にしてください。その状態でバイパス音に発振音等が音漏れしていなければOKです。

次回はいよいよ完成!としたいのですけど、また問題が発生しました。コンデンサーを大きくしたせいか、発振音の範囲が広くなってしまいました。やはり狭い筐体の中で配線をいろいろと引き回しているのが原因だと思います。

その辺を次回は何とか解決したいと思っています。
posted by fx at 14:53 | TS-9をLandgraffに改造

TS-9をLandgraff DODに改造する7問題発生

無事完成したかと安心してましたら問題が発生しました。

ランドグラフの自作は何作かやりましたが、どれもトーンとゲインをフルにしてダンブルモードにするとピーっと発振します。ご多分に漏れずこのTS改ランドグラフも同じように発振します。

そこまでは良かったのですが...
自作ではトゥルーバイパスにするのでバイパス時に回路へ信号を行かないように、そして回路のインプットをグランドに落として増幅しないようにしています。

一方このTS改ランドグラフは電子スイッチをそのまま利用していますので、トゥルーバイパスのようなプチっというノイズが無くなった代わりに、発振しているピーっという音がバイパス時にもグランドを通じて漏れていることがわかりました。

それはランドグラフモード、クリッパはダンブルモード、トーンとゲインをフルにした時だけに起こる現象です。なので全然気が付きませんでした。でも少しでも漏れているということは他のモードでも少なからず漏れているということですので、一度判ってしまうと気になってしまいます。

そこで対策を考えました。要は増幅率を1にすれば良いことです。記憶の中にあったコルグのToneBoosterの回路を思いだしました。それはTSで言うとオペアンプの1番と2番の間に電子スイッチを設けてバイパス時に1番と2番をショートさせ、増幅率を1倍に戻してあげるというものです。

DSC01428.JPG早速本体とブレッドボードを連結させてTSの電子スイッチ部をもうひとつ作り、上記作業をスイッチにやらせてみました。更にこの作業をフットスイッチと連動させなければなりません。一発ではうまくいかず、いろいろと試行錯誤しましたが、見事増幅を止めることができました。

回路の計画が立てられたので、次回は基板を作成します。ちょうどクリッパ部の基板でコンデンサをノーマルランドグラフに戻したかったので、合体させて一枚の基板でクリッパ部とスイッチ部を作成しようと思っています。
posted by fx at 17:56 | TS-9をLandgraffに改造

TS-9をLandgraff DODに改造する6 レビュー

TS-9 to LandgraffDOD_complete.JPG5回に渡って改造方法を説明してきました。ようやく完成しレビューすることができます。

まず新たに付けたスイッチの説明をしましょう。

右側のスイッチ→TS-808 or Landgraff DOD 切り替え
左へ倒すとTS-808モードになります。定数やオペアンプ、ダイオードに至るまでTS-808と同様にしました。
右へ倒すとLandgraff DODと同じ定数になります。本来ランドグラフはトゥルーバイパスですが、こちらでは切り替えノイズの無い電子スイッチをそのまま利用しています。

左側スイッチ→クリッパ切り替えスイッチ
左へ倒すとTS-808と同じシリコンダイオードでクリップします。Tube Screamer本来の歪みです。Landgraffでは「TS808モード」と称しています。
真ん中にするとクリッパを通さないモードになります。音量がグンと上がります。Landgraffでは「ダイオードリフトモード」と称しています。
右へ倒すとLEDでクリップします。ランドグラフで新たに設けられたモードで、シリコンダイオードより音量が上がりますが、若干歪みが弱くなります。Landgraffでは「マーシャル・モード」と称しています。

今回の改造の特徴は、
ランドグラフ化したのもそうですが、TS-808と全く同じモードを作ったことによってTS-808にプラスしてダイオードリフトやマーシャル・モードが使えること、またDriveポットの変更によりゲインが2倍になったことにあります。

さて音はどうでしょうか。

新設した両方のスイッチを左へ倒すとTS-808と同じになります。改造前のTS-9よりも若干音が甘くなりコンプレッション感が増したように感じます。

次にTS-808のまま左のスイッチを真ん中のダイオードリフトにしてみましょう。グっと音量が上がりますが、歪みは抑えられます。音量を調整しながらDriveを上げていくと低音が増強された歪みになります。しかしサスティンがありません。音の減衰が不自然です。このモードはアンプで歪ますときに良いですね。

またTS-808のままLEDのマーシャルモードにしてみました。ダイオードでのクリップより音量が上がり、歪みは抑えられます。音質的には中音が強調され、より艶のある音になりました。このモードは中々新鮮な音です!

では右側のスイッチをLandgraff DODモードにしてみましょう。
左側のスイッチは左へ倒し、ランドグラフのTS808モードにします。先ほどのノーマルTS-808よりもハイとローが強調され、スカっと抜けるような音になります。ローもあるのでコンプレッション感や音の太さは失われません。さすがランドグラフのチューニングは素晴らしいです。

左側のスイッチを真ん中にします。やはり音量が上がります。今度はハイも出ているので低音から高音までドーンと出ます。このままアンプで歪ますとかなり良いです。音量も相当ありますし、真空管アンプへのブースターとしては文句無く良い音になります。

左側のスイッチを右へ倒し、マーシャル・モードにします。やはり中音が強調されるのですが、ハイがスカっと抜けているので、ギラギラ感と艶のある音が共存している感じです。アンプでは歪ませないで単体で歪ますなら、このモードが一番Fenderアンプに近い音に感じます。でも何故かマーシャル・モードなんですよね。MarshallガバナーがLEDで歪ませているので「マーシャルモード」と呼んでいるのかもしれません。

各モード共それぞれ良く、使い道のある音になりました。ノーマルなTS-9よりも数段グレードアップした感覚です。

この後はオペアンプの変更、トランジスタの変更、ダイオードの非対称化、FETクリップ、電源昇圧化等いろいろと試したいことが山積みです。その都度またご報告いたします。
posted by fx at 17:05 | TS-9をLandgraffに改造

TS-9をLandgraff DODに改造する5

TS-9 to Landgrff DOD5_1.JPGさていよいよ穴あけです。いっきに仕上げてしまいましょう。
写真のようにポットとLEDだけ外せば穴あけ作業が出来ます。スイッチの位置がなるべくツマミから離れるように、でも美観を損なわずに付ける位置を考えました。DRIVEとLEVELポットの真下に来るようにし、なるべく下の方へ付けます。

TS-9 to Landgrff DOD5_2.JPG寸法はDRIVEとLEVELポットそれぞれの中心から下へ19ミリ、ボディの端からも19ミリです。これでギリギリでスイッチのナットが入る寸法です。スイッチの種類にもよりますが、穴の直径は6ミリでした。

ここまで出来たら先にドライヴ・ポットを交換しましょう。これは簡単ですね、線を外して新しいポットに付け替えるだけです。付ける位置を間違えないでください。ポットをボディに付けた状態で、右へ茶色、真ん中へグリーンの線を付けて下さい。

TS-9 to Landgraff DOD_5_kiban.JPGようやく基板の製作です。余ってるユニバーサル基板の都合上レイアウト図とはちょっと違う配置になりました。また、ランドグラフモードでのC4コンデンサは、0.1uFにしました。
ご存知ではないかもしれませんけど、ランドグラフの初期の頃、このコンデンサは0.1uFでした。これは数値を高くするほど低音を増強します。お好みで付け替えてください。
それとダイオードはTS-808の製造当初に使われていた「1S1588」を使用しました。現在は入手困難なダイオードですが探せばあります。入手できる方は1S1588を使用することをお勧めします。

基板を作らず空中配線の方は、スイッチとパーツの配線を済ませて、最後に基板への配線をするとやりやすいと思います。

TS-9 to Landgrff DOD5_3.JPGどちらにしてもかなりゴチャゴチャしてきますので、他の配線が切れたり外れたりしないように気を付けて下さい。作業中に3箇所も配線が外れてしまいました。

全ての配線を終えたら元からある配線が外れていないかを確認し、音を出してみましょう。各ポットやスイッチが動作すればOKです。おかしい場合はよく見直してください。

TS-9 to Landgrff DOD5_4.JPG確認が終ったら絶縁対策をしてください。基板の裏側はホットボンドで固めて絶縁しました。ホットボンドを持っていない方は、透明のテープとかを貼って対処しましょう。
基板の表側はジャンパやダイオードを付け替えたりするので、ホットボンドで固めるわけに行きません。金属の出ている部分だけセロテープを貼りました。

TS-9 to Landgrff DOD5_5.JPG裏蓋を取り付けて完成です。一応その状態で音が鳴るかを確認してください。蓋を付けて鳴らないことは良くあることです。

お疲れ様でした、次回は楽しいレビューですね。
posted by fx at 06:24 | TS-9をLandgraffに改造

TS-9をLandgraff DODに改造する4

TS-9 to Landgrff DOD_fet.jpgTS-9 to Landgrff DOD.jpg前回の最後に追伸した通り、ランドグラフDODTS808をスイッチで切り替えられるようにしましょう。

今回は部品表も兼ねて配線図を書いてみました。とりあえずユニバーサル基板を利用し、ダイオードを非対称にしたりFETクリップしたり出来るよう、ソケットにもしてみました。
それぞれの一例を図にしておきましたので参考にしてください。この他にもいろいろと応用が利くと思います。

TS-9 to Landgrff DOD_germa.jpgそれと共に、基板作りには抵抗がある方の為に空中配線の図も書いてみました。こちらは非対称とか出来ない仕様になっていますが、基板を作らない分かんたんに作成できると思います。

図にパーツの一覧も載っていますから、それに合わせてパーツを揃えてください。他に必要な物を記載しておきます。

1M-A ポット(可変抵抗)
JRC4558D(オペアンプ)改造用にその他8ピンデュアル
2SC1815GR←これも改造用
8pinソケット
汎用ソケット
配線材とハンダ

基板を使うならユニバーサル基板
空中配線なら2ミリ熱収縮チューブ(空中の絶縁用)

問題はポットです。TS-9純正のツマミを付けようと思うとギザギザ付きのポットを用意しなければなりません。ウェブ上にあるパーツショップはほとんどがギザギザのないツマミをネジで止めるタイプの物ばかりです。
秋葉原の千石電商秋月電子にはギザギザ付きが売っているのですが、Bカーブしかないのです。仕方ないので今回はBカーブで我慢することにしました。Bカーブの欠点はゲインをゼロから上げていったとき、急にゲインが上がってしまうことです。これがAカーブだとスムーズにいきます。
手元に秋月電子で買った1M-Bがありましたので、シャフトを少し切って対応しました。

TS-9 to Landgrff DOD_air.jpgTS-9の基板左図の「**のあった場所」と書いて基板の図になっていますが、これはTS-9の基板のことです。右写真を参照してもらい、元々C4、R6やダイオードがあった場所を確認し、図の通りに配線してください。

次回はいよいよ基板作りと配線です。あ、その前にボディの穴あけですね。
posted by fx at 13:36 | TS-9をLandgraffに改造

TS-9をLandgraff DODに改造する3

前回ではパーツを取り外しましたが、一箇所写真が間違っていました。
本来はずさなければならない「C1」が外していない写真を掲載してしまいました。申し訳ございません。前回の写真の左下C1も外してください。

パーツソケットさて今回はパーツの取り付けです。
その前にトランジスタのソケットの説明をしていなかったですね。トランジスタは専用のソケットも売っているようですが、TS-9基板の場合は一列にまっすぐな基板パターンになっていますので、左写真のような汎用のソケットをポキっと折って使うことにしました。14pinぐらいで100円程度で売っています。
ソケットの足ピッチが基板に若干合わなかったので、ほんのちょっとピッチを狭くするように手で曲げてから基板に無理やり差し込む感じです。

TS9の基板3トランジスタとオペアンプのソケットを付け終わったら、各パーツを取り付けていきましょう。通常の製作と同じ要領ですが、初めての方のために多少説明しておきましょう。
パーツの足を基板に奥まで差込み、裏側(ハンダ面)でほんの少し曲げてパーツが外れないようにしておきます。そこにハンダごてをあててハンダを溶かし込むわけです。コツとしては基板のパターンとパーツの足の両方にコテが当たるようにして両方暖めます。そこへすかさずハンダを溶かし込みます。両方が暖まっているとスルスルっとハンダが溶けて流れ込みます。コツを掴むまでは大変でしょうがすぐに要領が掴めると思います。

パーツ取り付けの注意点は、電解コンデンサの向きを間違えないこと。幸いTS-9の基板にはマイナス側に黒く印がしてあります。パーツ側は大抵白くラインが入っています。その向きを合わせるだけです。よ〜くパーツを見れば「−」って書いてありますよ。

長くなりましたので今回はココまで。

追伸:ここまで来て方針をちょっと変更しようと思います。OUT側で変更する抵抗R17とR18、実はこれTS808と同じ数値なんですね。だとするとC4とR6をスイッチで切り替えれば、LandgraffとTS808を切り替えて使えることになります。
スイッチが2つになってちょっと複雑になりますが、上記のようにランドグラフとTS808を切り替えられる仕様にいたします。
posted by fx at 17:36 | TS-9をLandgraffに改造

TS-9をLandgraff DODに改造する2

前回まででどのパーツを交換すれば良いかを説明しました。今回はいよいよパーツを取り外してみましょう。

ハンダ吸い取り線基板の写真を見ながらきちんと裏表共に確認しながら作業してください。裏側の確認ができたら「はんだ吸取線」を使ってきれいにハンダを吸取ります。

吸い取り中コツとしては、写真のように吸取り線の上に半田ごてを押し付けて、ハンダを溶かすような感じ。中々溶けない場合は、コテ先に新しいハンダをわざと溶かして、呼び水のようにコテを濡らしておくとスムーズに行く場合が多いです。

はんだ吸取線のパッケージに簡単なマニュアルが書いてあったのでスキャニングしてみました。

ある程度吸取ったら、小さいマイナスドライバやラジオペンチ等で軽くパーツをこじってみます。多少ガタガタ動くようだったら、裏側からコテでパーツの足暖めるとスポっと抜けます。

TS9の基盤2パーツを抜き取ったらトランジスタとオペアンプはソケットを付けます。オペアンプのソケットはぴったりピッチが合うのですが、トランジスタのソケットはピッチが合いません。ほんのちょっと指で内側に押してピッチを狭くしてから差し込みましょう。少し無理がありますが何とかなります。

そして各ソケットはパーツを付ける要領と同じにハンダ付けしましょう。

とりあえず全てのパーツを外し、ソケットを取り付けたところです。この写真を拡大して確認しながら作業を行ってください。

次回はパーツの取り付けと、そろそろ部品表を作成します。
posted by fx at 06:15 | TS-9をLandgraffに改造

TS-9をLandgraff DODに改造する1

エフェクター自作する人はすでに知っていると思いますが、あのランドグラフDODってTS-9とほとんど同じ回路なんです。
違いはほんの数点です。そこで手持ちのTS-9をLandgraff DOD仕様にしてみようと思い立ちました。
時間のあるときにちょこちょこと作業するので、何回かに分けて掲載させていただきます。自作初心者の方々にもなるべく簡単に作業できるよう詳しく載せたいと思っています。

ではまずTS-9とLandgraffの違いを調べましょう。
TS-9の回路図
LandgraffDODの回路図
そして今後はLandgraffDOD回路図の部品番号に沿って説明を進めて行きたいと思います。

TS-9の基板まずは基板上の違いから検証していきましょう。
右の写真はリイシュー版の現行TS-9の基板です。
赤で囲ったパーツに部品番号を入れておきましたので、LandgraffDODの回路図に合わせて数値を合わせるだけです。

Landgraffとの数値違いと、いずれ17V昇圧することを前提に電解コンデンサも耐圧の大きいパーツに変更しましょう。

今後は以下の作業を行います。

Q1,Q2=ソケット化
Opamp=ソケット化
C4=0.22uF
R6=1k
R17=100Ω
R18=10k
Diode=スイッチ化
以下耐圧変更 25V以上にする
C11=10uF
C1=100uF
C3=47uF

基板が終わったらスイッチやサブ基板の作成、ポットの交換が待ち構えています。
最後に完成したら部品表も書くつもりですので慌てずに待っててください。

次回は基板パーツの取り外しを行います。
posted by fx at 13:56 | TS-9をLandgraffに改造